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H26~フランス=ソルボンヌ大学からの留学報告Vol.9

音楽研究科博士後期課程(音楽学) 七條 めぐみさん

日本は今年の夏も厳しい暑さだと聞いていますが、パリはありがたいことに爽やかな季節で、暑いと言ってもうちわがあれば過ごせる程度です。7月は、大学が夏休みに入るのを利用して、2度の資料調査に出かけました。まず、中旬にウィーンのオーストリア国立図書館へ、そして下旬にロンドンの大英図書館へ。いずれも、私が研究しているフランス・オペラの「アムステルダム版」を集めることが目的です。
オーストリアへは、7月9日から13日にザルツブルク・モーツァルテウム音楽演劇大学で開催された「第16回国際バロック音楽学会」の見学も兼ねて行ってきました。2年ごとに開かれるこの学会では、世界中の(...と言いたいところですが、実際には欧米の)研究者が集まり、英語で発表します。3月にその存在を知り、見学のためだけに行くのはもったいないかと躊躇しましたが、留学中でなければ二度と行けないかも知れないと思い、参加することにしました。写真①は、モーツァルテウム音楽大学の隣に広がる庭園。左奥の建物で学会が開かれていました。
現地に行ってまず驚いたのが、発表の数の多さです。10日から12日の3日間、6つの会場を駆使して200近い研究発表やレクチャーコンサートが行われていました。様々なテーマのセクションがある一方、ほぼすべての時間帯でバッハにまつわるセクションが開催され、バッハ研究の層の厚さを目の当たりにしました。(逆に、フランスにいるとバッハの影響力をほとんど感じないので、そのギャップも面白いですが...。)私自身は、バロック時代に音楽がどのように「移動」していたのかに興味があるので、例えば「アルプスを越えるオペラOpera Crossing the Alps」といったセクションを聞いていました。発表の細かい内容などは省きますが、雲の上のような存在だった研究者の発表を直に聞き、いろいろな考えの人が自由に意見を交わしている場に居合わせ、まさに刺激的な体験の連続。また、ランチタイムには私と近いテーマで研究をしているアメリカ人の先生とお話することもでき、それだけでも来た甲斐がありました。名だたる研究者のオーラに圧倒されるばかりでしたが、私もいつか同じ舞台で発表できればいいなと思います。

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ザルツブルクでの学会が終わり、国立図書館での調査のためにウィーンへ向かいました。オーストリア国立図書館はウィーン市内の中心部、ホーフブルク宮殿の近くに位置し、音楽部門は本館から少し離れたところにあります(写真②は、音楽部門の入り口)。訪れるのは3年ぶりで、久々のドイツ語圏の図書館に、言葉が通じるかな...と内心ドキドキ。年間カードを作り、見たい楽譜を出してもらうまでは難なく済みましたが、問題は複写です。図書館によって基準や規則が違うので、まずは司書さんにお伺いを立てなければなりません。とりあえず「この楽譜をデジタル化して欲しいのですが...」と頼んでみると、意外とすんなり許可が降りました。そればかりか、「マイクロフィルムがあるからそれをコピーするのが一番安い、そっちにしなさい」と、コピーした場合とデジタル化した場合の金額を計算し、書類の記入方法まで細かく教えてくれました。結局、データが欲しいのでデジタル化をお願いしましたが、司書さんがかなり親切だったのには驚きました。パリではこういうことは基本的に個人任せだからです。だからといってパリの図書館が不親切というわけではなく、そういうものなのです。ちなみにオーストリア国立図書館では、通常の文献や保存状態のよい古い楽譜はセルフコピーをすることができます。

オーストリアで10日あまりを過ごした後、パリに戻り、しばらくして数日間ロンドンに行ってきました。大英図書館は今年の2月以来2度目の訪問です。こちらは、年間カードをすでに作ってあって、勝手も分かっているのでスムーズに行き、目当ての資料を手に入れることができました。今回のウィーン、ロンドン訪問で、手元の資料が一気に増えたので、8月にかけてそれらをフランスの楽譜と比較していく予定です。
ところで、ウィーンとロンドンではどちらもユースホステルに滞在していました。6年前、ドイツはハイデルベルクのユースに宿泊して以来、国籍も言葉もごちゃまぜの雰囲気が気に入っていろいろなユースを見て回っています。今回の滞在では、同室になった人のほとんどが、ウィーンではプラハ、ロンドンではパリに向けて出発して行きました。長い休みを取ってヨーロッパあちこちを回るという、バカンスシーズンならではの光景に出会えたようです。
さて、パリの留学生活ももうすぐ1年を迎えます。初の一人暮らし、最初は適当だった自炊も最近は栄養のバランスや彩りを考える余裕が出てきました。研究は試行錯誤が続いていますが、こちらに来てみなければ見えなかった状況があり、人との出会いがあり、本当に貴重な時間を過ごしていると思います。これから、さらに根気のいる調査にくじけないように頑張りたいと思います。

[問い合わせ]

愛知県立芸術大学 学務課 学生支援・国際連携係
Tel:0561-76-2843
Fax:0561-62-0083
Mail:g-shien[at]mail.aichi-fam-u.ac.jp([at]を@に書き換えて送信してください)