【終了】音楽学研究総合ゼミ 音楽、数学、そして科学:直感と合理性

日時
2019年5月16日(木)10:30~12:00
場所
愛知県立芸術大学 講義棟第5教室
【講義概要】
作曲家として、「新しいもの」に対する私の好奇心は、常に私を発見の道へと導きました。常に自分に忠実であり、いろいろな可能性に対して完全に柔軟でありたいと思い、私の芸術的な実践だけでなく、個人としての私の成長を育むために、普通ではないような、そして因習的でないものを求めます。これが、音楽と音楽作曲に私を夢中にさせているものです。数学、科学、音楽のといった「新しい」アイデアの採用につながったのは、実際の作曲過程を探究することについて完全に自由であるというこの哲学があるからです。しかし、「直感と合理性」という概念は私の音楽に何をもたらしているのでしょうか。
それは私の芸術的実践の本質であり、過去15年間は、高度に実験的な作品(個人の成長と私たちの仕事の発展にとって非常に重要なもの)と「測定可能」なアクセス可能な作品(プロのプログレッシブな音楽実践家と一般の人々の両方と感情的に結びつくアプローチ)の中間地点を見出すことにつとめました。
このような美学的視点を念頭において、実際にリスナーと感情的に結びつくような芸術作品をつくるという挑戦は、決して無駄や卑劣なことではなく、すべてのアーティストの究極の課題であるはずです。まさにその理由から、私は直感と合理性の間のバランスを熱望することが非常に望ましいと思います。 そしてそれが、私が、形式の構造や直感的な戦略を並置させる手順を緩和する理由です。 私は、もちろん、私の作品を「伝統的な」レパートリーに基づいて作りたいとは思いませんが、その音楽の繊細さをある程度反映させながら、本質的に現代的な作品を生み出したいと思っています。 そして「現代」とは、「現代主義」とは対照的に、まさにそれ(文字通りの解釈)を意味します。 今日の作曲家にとって、現在を反映した音楽を作ることが重要であり、今日、適切なことであると信じています。
【講師】
Andrián Pertout(アンドリアン・ペルトー)
1963年、チリのサンチャゴ生まれ。1972年より、オーストラリア、メルボルン在住。2007年、メルボルン大学博士課程修了(Ph-D)。
現在、メルボルン作曲家協議会会長、メルボルン音楽院名誉会員、メルボルン大学およびオーストラリア音楽学校非常勤講師。
詳細
[問い合わせ]
愛知県立芸術大学
学務課
Tel:0561-76-2898